ハングルの丁寧な表現には2つの文体があります。それはハムニダ体とヘヨ体です。
ハムニダ体はかしこまった表現で、ヘヨ体は話し言葉でよく使われる親しみのある表現です。
ここでは、動詞や形容詞の丁寧な文末表現「～します、～です」であるヘヨ体の作り方について解説します。
原型（基本形）とは？
ヘヨ体の作り方の前に、まず辞書に載っている形である「原型（基本形）」について解説しておきます。
動詞や形容詞の「原型（基本形）」は末尾がすべて「다（タ）」で終わっています。
原型から末尾の「다（タ）」を外して残った部分のことを「語幹（ごかん）」と言います。
そして、語幹について様々な文末表現をしてくれるものを「語尾（ごび）」と言います。
※原型の末尾の「다（タ）」も語尾になります。
| 例 | 原型 | 語幹 | 語尾 |
|---|---|---|---|
| 遊ぶ | ノルダ | ノル | タ |
| 놀다 | 놀 | 다 | |
| 良い | チョタ | チョ | タ |
| 좋다 | 좋 | 다 | |
| 食べる | モクタ | モク | タ |
| 먹다 | 먹 | 다 | |
| おいしい | マシッタ | マシッ | タ |
| 맛있다 | 맛있 | 다 |
ヘヨ体の作り方
ヘヨ体の作り方は、動詞や形容詞の語幹に「아요（アヨ）」、または「어요（オヨ）」という語尾をつけます。
「～します、～です」の作り方
「(動詞)します」、「(形容詞)です」という丁寧な表現を作ってみましょう。
- 語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ）＋아요（アヨ）
- 語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ以外）＋어요（オヨ）
語幹の最後の母音がㅏ（ア）、ㅗ（オ）の場合は、「아요（アヨ）」をつけ、ㅏ（ア）、ㅗ（オ）以外の場合は、「어요（オヨ）」をつけます。
語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ）＋아요（アヨ）の例
● 놀다（ノルダ）遊ぶ
놀（ノル）＋다（タ）
↓最後の母音が「ㅗ（オ）」
놀（ノル）＋아요（アヨ）
↓
놀아요（ノラヨ）
遊びます
「놀다（ノルダ）」の場合、語幹の最後の母音が「ㅗ（オ）」になるので、「아요（アヨ）」をつけて、「놀아요（ノラヨ）」になります。
● 좋다（チョタ）良い
좋（チョ）＋다（タ）
↓最後の母音が「ㅗ（オ）」
좋（チョ）＋아요（アヨ）
↓
좋아요（チョアヨ）
良いです
「좋다（チョタ）」の場合、語幹の最後の母音が「ㅗ（オ）」になるので、「아요（アヨ）」をつけて、「좋아요（チョアヨ）」になります。
語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ以外）＋어요（オヨ）の例
● 먹다（モクタ）食べる
먹（モク）＋다（タ）
↓最後の母音が「ㅓ（オ）」
먹（モク）＋어요（オヨ）
↓
먹어요（モゴヨ）
食べます
「먹다（モクタ）」の場合、語幹の最後の母音が「ㅓ（オ）」になるので、「어요（オヨ）」をつけて、「먹어요（モゴヨ）」になります。
● 맛있다（マシッタ）おいしい
맛있（マシッ）＋다（タ）
↓最後の母音が「ㅣ（イ）」
맛있（マシッ）＋어요（オヨ）
↓
맛있어요（マシッソヨ）
おいしいです
「맛있다（マシッタ）」の場合、語幹の最後の母音が「ㅣ（イ）」になるので、「어요（オヨ）」をつけて、「맛있어요（マシッソヨ）」になります。
「～しますか？、～ですか？」の作り方
文末「요」に「？」をつけてイントネーションを上げると「～しますか？、～ですか？」という表現になります。
- 語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ）＋아요?（アヨ）
- 語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ以外）＋어요?（オヨ）
遊びますか？
놀아요?
ノラヨ
良いですか？
좋아요?
チョアヨ
食べますか？
먹어요?
モゴヨ
おいしいですか？
맛있어요?
マシッソヨ
하다（ハダ）のつく動詞や形容詞の場合
動詞や形容詞で「하다（ハダ）」がつく場合は、語幹「하（ハ）」に「여요（ヨヨ）」をつけ、「하여요（ハヨヨ）」となります。
しかし、一般的な会話などでは、これを縮約して「해요（ヘヨ）」が使われることがほとんどです。
- 하다（ハダ）→ 해요（ヘヨ）
「하다（ハダ）」のヘヨ体「해요（ヘヨ）」の作り方を説明します。
● 사랑하다（サランハダ）愛する
사랑（サラン）＋하다（ハダ）
↓하다（ハダ）→ 해요（ヘヨ）
사랑（サラン）＋해요（ヘヨ）
↓
사랑해요（サランヘヨ）
愛しています
● 공부하다（コンブハダ）勉強する
공부（コンブ）＋하다（ハダ）
↓하다（ハダ）→ 해요（ヘヨ）
공부（コンブ）＋해요（ヘヨ）
↓
공부해요（コンブヘヨ）
勉強します
● 요리하다（ヨリハダ）料理する
요리（ヨリ）＋하다（ハダ）
↓하다（ハダ）→ 해요（ヘヨ）
요리（ヨリ）＋해요（ヘヨ）
↓
요리해요（ヨリヘヨ）
料理します
● 심심하다（シムシマダ）退屈だ
심심（シムシム）＋하다（ハダ）
↓하다（ハダ）→ 해요（ヘヨ）
심심（シムシム）＋해요（ヘヨ）
↓
심심해요（シムシメヨ）
退屈です
「하다（ハダ）」を「해요（ヘヨ）」に置き換えるだけなので、簡単ですね。
ここからは縮約するヘヨ体の作り方について解説します。
学習の難易度が少し上がりますので、ハングル初心者の方は、ここまでの内容を十分に理解してから読み進めてくださいね。
ヘヨ体の縮約形の作り方
「(動詞)します」、「(形容詞)です」のヘヨ体の縮約された形について解説します。
動詞や形容詞の語幹の最後が母音で終わる場合（語幹の最後にパッチムがない場合）、語幹の最後の母音と語尾「아요（アヨ）」「어요（オヨ）」の「아（ア）」や「어（オ）」は通常、縮約されます。
ヘヨ体の縮約形には、次の3つのパターンがあります。
- 合体するパターン
- 아（ア）・어（オ）が脱落するパターン
- ㅡ（ウ）が脱落するパターン
順番に解説していきますね。
合体するパターン
語幹の最後の母音と아（ア）・어（オ）が合体するパターン。
ヘヨ体の縮約形が合体するのは、語幹の最後の母音が「ㅗ（オ）ㅣ（イ）ㅜ（ウ）ㅚ（ウェ）」の動詞や形容詞です。
- ㅗ（オ）＋아요（アヨ）→ㅘ요（ワヨ）
- ㅣ（イ）＋어요（オヨ）→ㅕ요（ヨヨ）
- ㅜ（ウ）＋어요（オヨ）→ㅝ요（ウォヨ）
- ㅚ（ウェ）＋어요（オヨ）→ㅙ요（ウェヨ）
語幹の最後が、それぞれの母音になっている単語の例を出してみます。
- ㅗ（オ）→오다（オダ）来る
- ㅣ（イ）→마시다（マシダ）飲む
- ㅜ（ウ）→배우다（ペウダ）習う
- ㅚ（ウェ）→되다（トェダ）なる
● 오다（オダ）来る
오（オ）＋다（タ）
↓
오（オ）＋아요（アヨ）
↓ㅘ요（ワヨ）
와요（ワヨ）
来ます
● 마시다（マシダ）飲む
마시（マシ）＋다（タ）
↓
마시（マシ）＋어요（オヨ）
↓ㅕ요（ヨヨ）
마셔요（マショヨ）
飲みます
● 배우다（ペウダ）習う
배우（ペウ）＋다（タ）
↓
배우（ペウ）＋어요（オヨ）
↓ㅝ요（ウォヨ）
배워요（ペウォヨ）
習います
● 되다（トェダ）なる
되（トェ）＋다（タ）
↓
되（トェ）＋어요（オヨ）
↓ㅙ요（ウェヨ）
돼요（トェヨ）
なります
このように語幹が母音で終わる場合は、通常、縮約されますが、縮約されない動詞や形容詞もあります。
例：쉬다（シュィダ）休む
쉬（シュィ）＋다（タ）
↓
쉬（シュィ）＋어요（オヨ）
↓
쉬어요（シュィオヨ）
休みます
아（ア）・어（オ）が脱落するパターン
語幹の最後の母音の後ろで아（ア）・어（オ）が脱落するパターン。
ヘヨ体の縮約形で「아요（アヨ）」「어요（オヨ）」の「아（ア）」や「어（オ）」が脱落するのは、語幹の最後の母音が「ㅏ（ア）ㅓ（オ）ㅐ（エ）ㅔ（エ）ㅕ（ヨ）」の動詞や形容詞です。
- ㅏ（ア）＋아요（アヨ）→ㅏ요（アヨ）
- ㅓ（オ）＋어요（オヨ）→ㅓ요（オヨ）
- ㅐ（エ）＋어요（オヨ）→ㅐ요（エヨ）
- ㅔ（エ）＋어요（オヨ）→ㅔ요（エヨ）
- ㅕ（ヨ）＋어요（オヨ）→ㅕ요（ヨヨ）
語幹の最後が、それぞれの母音になっている単語の例を出してみます。
- ㅏ（ア）→사다（サダ）買う
- ㅓ（オ）→서다（ソダ）立つ
- ㅐ（エ）→내다（ネダ）出す
- ㅔ（エ）→세다（セダ）強い
- ㅕ（ヨ）→켜다（キョダ）つける（電気など）
● 사다（サダ）買う
사（サ）＋다（タ）
↓
사（サ）＋아요（アヨ）
↓아（ア）が脱落
사요（サヨ）
買います
● 서다（ソダ）立つ
서（ソ）＋다（タ）
↓
서（ソ）＋어요（オヨ）
↓어（オ）が脱落
서요（ソヨ）
立ちます
● 내다（ネダ）出す
내（ネ）＋다（タ）
↓
내（ネ）＋어요（オヨ）
↓어（オ）が脱落
내요（ネヨ）
出します
● 세다（セダ）強い
세（セ）＋다（タ）
↓
세（セ）＋어요（オヨ）
↓어（オ）が脱落
세요（セヨ）
強いです
● 켜다（キョダ）つける
켜（キョ）＋다（タ）
↓
켜（キョ）＋어요（オヨ）
↓어（オ）が脱落
켜요（キョヨ）
つけます
ㅡ（ウ）が脱落するパターン
語幹の最後の母音ㅡ（ウ）が脱落するパターン。（으変則活用）
ヘヨ体の縮約形で、語幹の最後の母音が「ㅡ（ウ）」の場合、その「ㅡ（ウ）」は脱落して、「아요（アヨ）」「어요（オヨ）」がつきます。
語幹が2文字以上で、「ㅡ（ウ）」の１つ前の母音がㅏ（ア）、ㅗ（オ）の場合は、「아요（アヨ）」がつき、ㅏ（ア）、ㅗ（オ）以外や1文字の場合は、「어요（オヨ）」がつきます。
- 2文字以上（ㅏ、ㅗ）＋아요（アヨ）→ㅏ요（アヨ）
- 2文字以上（ㅏ、ㅗ以外）＋어요（オヨ）→ㅓ요（オヨ）
- 1文字 ＋어요（オヨ）→ㅓ요（オヨ）
それぞれの単語の例を出してみます。
- 2文字以上（ㅏ、ㅗ）→바쁘다（パップダ）忙しい
- 2文字以上（ㅏ、ㅗ以外）→예쁘다（イェップダ）綺麗だ
- 1文字 →쓰다（ッスダ）書く
● 바쁘다（パップダ）忙しい
바쁘（パップ）＋다（タ）
↓
바쁘（パップ）＋아요（アヨ）
↓ㅡ（ウ）脱落、ㅏ요（アヨ）
바빠요（パッパヨ）
忙しいです
● 예쁘다（イェップダ）綺麗だ
예쁘（イェップ）＋다（タ）
↓
예쁘（イェップ）＋어요（オヨ）
↓ㅡ（ウ）脱落、ㅓ요（オヨ）
예뻐요（イェッポヨ）
綺麗です
● 쓰다（ッスダ）書く
쓰（ッス）＋다（タ）
↓
쓰（ッス）＋어요（オヨ）
↓ㅡ（ウ）脱落、ㅓ요（オヨ）
써요（ッソヨ）
書きます
ヘヨ体の作り方まとめ
話し言葉でよく使われるヘヨ体の作り方について解説してきました。
ハングルのヘヨ体で「～します、～です」の文末表現にするために、動詞や形容詞の語幹に「아요（アヨ）」、「어요（オヨ）」をつけて作ります。
- 語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ）＋아요（アヨ）
- 語幹（最後の母音がㅏ、ㅗ以外）＋어요（オヨ）
하다（ハダ）のつく動詞や形容詞の場合は、「해요（ヘヨ）」にします。
- 하다（ハダ）→ 해요（ヘヨ）
語幹の最後が母音で終わる場合は、縮約形の3つのパターンになります。
- 合体するパターン
- 아（ア）・어（オ）が脱落するパターン
- ㅡ（ウ）が脱落するパターン
ヘヨ体の作り方を覚えると、韓国語での会話がスムーズになります。動詞や形容詞の原型を覚えることで、たくさんの単語を話せるようになるはずです。
すこしずつマスターしていきましょう！